猫は自由、奔放、勝手、気まぐれな動物と表現されています。猫の生態系など多方面から観察し感じ取れた事をそのままお話したいと思います。皆様の参考になれば幸いです。
猫は本来、群れを作って行動する動物では有りません。集団行動はせず単独行動をし、雌は行動エリアはさほど広くは取らず、雄は雌より多少行動エリヤは広いようです。これも本能の一つです。
猫は警戒心、自衛心、防衛心が異常に高い動物です。これも自然界での生き残り、天敵の多い弱い動物で有った事を感じます。
- 発情は日照時間に関係が有り、猫の発情期間は長く、その間交尾が無いと数日後からまた発情を繰り返し、他の哺乳動物に無い”交尾の刺激により排卵”するという不思議な生殖です。子孫を残す事が難しい動物だからこそ確実に受胎しようという体になっています。
- ブリーディング環境下では栄養も充分な事もあり出産後、約30日 まだ授乳中、それでも子孫を残そうと発情をします。
野良猫観察で生存率が低いと感じた事、又非常に神経を使う動物と感じ取れる行動が観察上に有ります。
- 野良猫は自分の一番住み心地の良い場所を拠点とし行動し、出産も人目に付かない行動エリア内で最善な場所(食の確保ができる、天敵への恐怖がおよそ無い)と感じた所で出産します。栄養状態が良いわけでは有りません。
- およそ1週間ぐらいは食事も捕らずひたすら仔猫の世話をし、その後空腹を満たす、又母乳を出す為、食物探し行動をします。
- 殆どの猫は飼育過程の中、1度別の場所へお引っ越しをすると言われていますが、これも天敵に存在を知られたくない、我が子を守る為の行動です。住家から離れた所を選び穴掘りしてウンチを埋めます。同じ意味をもつ行動です。
- 野良猫には、可哀そうと思う部分も沢山あります。お腹に線虫(回虫、他)、原虫、ダニ、ノミ、が居たり猫エイズ、白血病、その他の感染症のキャリアが沢山います。
- そして、産まれた仔猫の殆どは感染症で死亡しています。この状態は人の目に触れず中々確認に至らないです。人は野良猫の歩く姿を見て”丈夫だな”と見て、感じている方が多いのではないでしょうか。極僅かに生き残った猫だと思われます。
- 微細な神経を持つ猫、ストレスを受けやすい動物、何がストレスになるか、なってるか、個体差も有り人が判断できるものでは無いと思います。家庭でペット飼育している猫にも配慮が大事と思いました。
”借りてきた猫”という言葉、例えが有ります。これは正に猫の様を人にあてはめた表現です。明らかにストレスとなる状態です。
- お子様が自宅で、わんぱくな、はつらつとした生活ぶりですが、他のご家庭に行くと、普段とはかけ離れた、驚くほどおとなしい、こんな事有りますね。この様な事を”借りてきた猫”と表現します。
- お迎えした猫の場合、育った場所と違う空気感、見た事も無い風景、見知らぬご家族など敏感に感じ取り、恐くて怖くて、生涯最大なストレスを受け、同時にストレスによる免疫力の低下を引き起こします。
質問の中で多いのが”爪を切らせてくれない”という事があります。”借りてきた猫”の状態を利用する事で爪切りができます。 ストレスがかかる事ですので短時間で済ませる様にしてください。(散歩等の習慣もなく全く屋外を知らない飼い猫に限ります。)
- お答、ご家庭の中で100%猫が出入りしていないお部屋、空間がありますか? あるいはお庭、そこに椅子(通常の高さ)、爪切りなど全てまごつきの無い様に準備をして頂き、そして猫を抱いて行き、椅子に座り(床面ではなく)、速やかに爪切りしてみて下さい。簡単に切れるはずです。
- 猫が知らない空間に行き、恐さで頭の中が一杯の中、爪を切られている事に関心が無いうちに爪を切るという事です。
室内飼いの猫も外に興味を持ちます。特に去勢避妊をしていない場合は強いです。
- 脱走もこの表れですが、脱走時は興味本位で外に出ますが、出た瞬間、空気感の違いを敏感に感じ、我に返り、一気に恐怖心が襲ってくる・・・。その為、殆どの猫はその場でうずくまり身動きしないはずです。中には数時間うずくまる事が多いです。(散歩等の習慣もなく全く屋外を知らない飼い猫に限ります。)
トリマーさんから”大人しくいい子でした”と言われた事ありますよね。
これも、”借りてきた猫”状態を意味する事です。これもストレスを受けてると思いますね。
- 知らない場所、知らない人、しらない他の動物の環境下に突然行く事になり、ただ恐怖心のみで、大人しくなっている”固まっている”と思って間違いありません。
お迎えした仔猫に、人は可愛がる行動の中で抱っこする、なでるという行為をしますね。
”猫を好きな人は、猫に嫌われる”と言われます。なぜ?
- お迎え当初、抱きあげられた仔猫は恐さのあまり”固まって”身動きできない状態になります。飼い主様はこれを、”撫でられて気持ちいいのだろう”と勘違している事が多いと感じます。お勧めできません。
- 迎えたばかりの仔猫は知らない人(猫が認知していない)に毎日抱かれ、撫で繰りまわされる事は恐いだけで人の気持ちは全く受け止めてはくれません。これが毎日続くとなおさらです。過大なストレスとなり、これをトラウマと持った時、一番可愛がっていたご家族の方が、何故か後に一番嫌われる結果となっている事もアンケートで判明出来ています。
- 猫は延々と長~い時間をかけ確認行動をして徐々に距離を縮めて行く動物です。確認行動の中に居る時、近づいてきた猫を”やれ来たとばかりに捕まえ抱き上げる”とまた一歩、二歩後退してしまいます。近づいてきた時は確認中です。
- 猫が環境、飼主様を認知するまで焦らず待ち、沢山遊んであげ、好むおやつを手で与え、沢山言葉を必ずかけましょう。必ず後に猫と飼主様の良い関係が出来上がります。
web上でよく見かける中に猫とストレスは非常に関係深い事がお解り頂けると思います。ですがストレスとは非常に曖昧な表現で有り、これがストレスと決めつけられない物ですね。
- 人の生活の中では”これは嫌だ”とはっきり表現できますが、それも人によっては別の受け止め方をしています。猫との生活の中で、人の主感で”私はストレスをかけない生活をさせている”と表現していますが、感じているのは猫なんですね、人には全てを判断する事は難しいと思いますね。
- 例えば、飼い猫一人では”つまらないだろう、友達を迎えよう”と思うのは飼い主様の判断ですね。お迎え当初はお互い(先住、新入り)想像を超えるストレスになっているかも知れませんね。
- 又、”いつも同じ食事は飽きただろう”と考える事も多いと思いますが、猫は食べた事の無い物に警戒心と不安を感じる事が多いです。これも飼い主様の判断ですね。ストレスは受けてる猫のみ解る事と思います。飼い主様の配慮が必要です。
猫も犬も学習出来る動物です。
猫にさせて欲しい事、沢山ありますね。ブラッシング、点眼薬を注す、抱かれるのを嫌がる、その他有りますね。全て焦らず学習させる事でさせてくれるようになります。
- まず、人の手を恐がらない様にする事から始めましょう。手のひらの中央に今人気の有る”チュール”を少量塗って猫ちゃんになめさせる。量よりも回数です、これを何度も繰り返す。舐めてる時、指先で喉の部分をコチョコチョする。クリアできたら次です。与えすぎに注意!!
- 次は、舐めてる時、片方の手で撫でたりする。頭を軽くつかむ。これも一ずつ時間をかけて何処を触っても嫌がらなくなるまで繰り返しクリアして下さい。
- 今度は舐めてる時、スリッカー、コームなどで一撫でする。最初から念入りにしない事です。全てのポイントは猫が嫌がる前に辞める事が良いです。この様に常に、猫が何かされた時、”良い事が有る”と学習させる事です。